大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和59(ク)100 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

家事審判法九条一項乙類一〇号に規定する遺産の分割に関する処分の審判の性質

は本質的に非訟事件であるから、公開法廷における対審及び判決によつてする必要

はなく、右審判が憲法三二条、八二条に違反するものでないことは、当裁判所の判

例とするところであり(最高裁昭和三九年(ク)第一一四号同四一年三月二日大法

廷決定・民集二〇巻三号三六〇頁)、本件抗告理由のうちこの点の違憲をいう部分

は理由がない。また、憲法三二条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利があ

ることを規定したにすぎないものであつて、裁判所の権限や審理の方法等について

規定したものでないことは、当裁判所の判例の趣旨とするところである(最高裁昭

和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日大法廷判決・刑集四巻二号八八頁参照)。

そして、前記審判に対する抗告審の決定も非訟事件についての裁判であることに変

りはないから、原審が公開の法廷における対審又は当事者の審尋を経ないで審理、

裁判したことをもつて憲法三二条、八二条の規定に違反するということができないこ

とは、前記の当裁判所の各判例の趣旨に照らして明らかである。したがつて、原決

定に右違憲の瑕疵はなく、この点に関する論旨は理由がない。

その余の違憲をいう論旨は、その実質は前記の違憲の主張を前提とするものであ

るか又は原決定の単なる法令違背を主張するものであるから、その前提を欠くか又

は特別抗告適法の理由にあたらない。

よつて、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のと

おり決定する。

昭和五九年一〇月四日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 和 田 誠 一

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 谷 口 正 孝

裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 矢 口 洪 一

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